転職活動の中でも、特にプレッシャーがかかるのが「面接」。 面接官の表情は穏やかでも、頭の中では「この人と一緒に働きたいか?」をシビアに見極めています。
今回は、実際に面接官として感じた「内心うわ…と思ったNG回答例」を、筆者の体験をもとにリアルな視点でまとめました。
20代で初めての転職をする人、自分の受け答えに不安がある人は、この記事を通じて“やりがちな失敗”を回避してください。
NG① 自己紹介が履歴書の棒読み
開口一番の自己紹介。
ここで「○○大学を卒業し、新卒で△△株式会社に入社し…」と履歴書を読み上げるだけの人は、第一印象で損をしています。
問題点: 情報は正しいけど、印象に残らない/自分の言葉で語れていない/会話のキャッチボールになっていない。
改善ポイント:
- 自分の経歴を"要約"して話す
- 強みやスタンスを1文入れる
- 「どんな人なのか」が伝わるように話す
例:
「新卒でSIerに入社し、3年間法人向けの営業を担当してきました。課題解決の提案を強みにしており、今後はより自社サービスに近い立場で貢献したいと考え、今回応募しました。」
加えて、聞き手が「もっと聞いてみたい」と思うような“キャッチーな一言”を加えるのも有効です。たとえば「現場での改善提案がきっかけで業務プロセスを見直すきっかけを作った」など、ちょっとした成果や印象的なエピソードを添えると、話のフックになります。
NG② 志望動機がテンプレすぎる
「御社の成長性に惹かれました」「グローバルな環境で挑戦したいと思いました」
…これは聞き飽きました。
問題点: どこの会社でも通用する抽象的な動機/「なぜその会社か」「なぜ今か」がわからない。
改善ポイント:
- 業務内容と自分の経験の接点を話す
- なぜその会社・業界を選んだかを説明する
- 自分のキャリアとの接続点を具体化する
例:
「これまで大手メーカーを担当する営業として、現場の課題を丁寧に聞き出すことを重視してきました。御社が提供している◯◯のソリューションに惹かれ、自分の対人スキルと親和性が高いと感じています」
NG③ 転職理由がネガティブ全開
「上司と合わなくて」「評価制度が不透明で…」
事実だったとしても、それをそのまま言ってしまうとリスク評価の対象になってしまいます。
問題点: "また同じように辞めるかも"と思われる/被害者的な印象になる。
改善ポイント:
- 課題→自分なりの行動→学び→次に活かしたいこと、という流れに整える
例:
「現職ではスピード感ある環境で学べた反面、より戦略寄りな業務に携わる機会が少なく…その部分を強化したいと考えています」
また、前職の環境に対する“感謝”を一言加えると印象が柔らかくなります。
「スピード感を持って仕事を進める文化は自分にとって刺激的で、多くの学びがありました」など。
NG④ 「成長したいです」だけの自己PR
「御社で成長したいと思っています」
……気持ちはわかる。でも、それだけじゃ足りません。
問題点: "抽象的すぎる"/結局どんな強みがあるのかわからない/意欲はあるけど戦力になるかが不明
改善ポイント:
- どんな環境で、何を学んだか
- 成長実感がある行動・エピソードを話す
- 自分の強みがどう活かせるかまで言及
例:
「配属直後は商談経験もなく苦労しましたが、提案書を10本以上書き直してプレゼン練習を繰り返した結果、配属4ヶ月で初受注を獲得しました。この粘り強さは今後の挑戦にも活かせると考えています」
NG⑤ 逆質問で「特にありません」
逆質問の時間は、単なる儀礼ではありません。
問題点: 「受け身な人」「準備していない人」と判断されやすい
改善ポイント:
- 応募企業にしか聞けないことを1つ用意
- 例:「このポジションで活躍している方の共通点はありますか?」
特に20代での転職は、経験面で差が出づらい分「事前準備の質」が差別化になります。「貴社のIR情報を拝見したのですが〜」など、ひと手間かけた質問は好印象です。
NG⑥ 経験の羅列で終わる
「営業を3年やってきました」「プロジェクトマネジメントを担当しました」
問題点: それで? どう役に立つの? が抜け落ちている
改善ポイント:
- 経験→学び→応募ポジションへの応用、の流れにする
例:
「営業として月30件の商談を経験する中で、ヒアリング力と課題整理のスキルを磨いてきました。今後はこのスキルを活かして、よりコンサルティング的な立場で課題解決に関わりたいと考えています」
NG⑦ 「正直、自分に何が向いているのか分かりません」
正直で誠実な印象を狙ったのかもしれませんが、受け止め方は逆効果。
問題点: 準備不足/方向性がない=評価しづらい/育成コストがかかる印象を与える
改善ポイント:
- 仮説ベースでいいので、志向性を示す
- 「現時点では○○に関心があります」など方向性を見せる
例:
「まだ模索中ではありますが、現職での企画業務にやりがいを感じた経験から、今後は“価値を設計する仕事”に携わりたいと考えるようになりました」
補足:内容は良いのに損していた“もったいない”パターン
ここからは、内容の良し悪しではなく、「話し方」「印象面」で面接官として残念に感じたケースです。
🌀目を見ない/声が小さい/自信がなさそう
- 目線が下がっていて、終始視線が合わない
- 声が聞き取りづらく、何度も聞き返したくなる
- 自信なさそうな話し方(語尾が不安げ、尻すぼみ)
内容自体はきちんと準備していても、「伝え方」の印象で大きく損をしてしまうこともあります。
✅ 解決策:録音・録画して“自分の話し方”を客観視する
1人で練習していても、意外と「自分の癖」に気づけないもの。 スマホで録音・録画して、声の大きさ、スピード、視線、姿勢を確認してみましょう。
さらに可能であれば、信頼できる人に聞いてもらうのもおすすめです。話し方に限らず、「話す順序」「印象に残った点」「伝わりづらかった点」など、客観的なフィードバックを得られます。
まとめ:NGを知ることで面接通過率は上がる
面接の失敗理由は、基本的にフィードバックされません。 だからこそ、自分から“よくあるNG”を把握し、潰していくことが重要です。
今回ご紹介したNG例は、実際の現場で「落としたくなった」リアルな視点をもとにしています。
内容・伝え方・姿勢の3点を意識することで、面接官の印象はガラッと変わります。
面接は“正解を答える場”ではなく、“自分という人間を伝える場”です。 NGを避けることはその第一歩になります。
ぜひこの記事を参考に、あなたらしい“伝わる面接”を組み立ててみてください。