1. 英語ができない僕が「外資でやれている理由」
外資系企業で働くと聞いて、多くの人が最初に抱く不安のひとつが「英語」だと思います。僕自身、学生時代にTOEICの点数はある程度取れていたものの、英会話には大きな苦手意識がありました。初めての海外旅行ですら緊張してしまうくらいだったので、「まさか自分が外資で働くことになるなんて」と今でも不思議に思うことがあります。
ただ、結論から言えば、英語が“話せない”僕でも、会議やチャットで困らずにやっていけています。もちろん努力は必要ですが、完璧な英語力がなくても乗り切る術はあるんです。この記事では、英語が苦手な新卒の僕が、実際の業務でどうやって乗り切ってきたのかをお伝えしたいと思います。
2. 英語ができないの定義とは?
そもそも「英語ができない」とは、どういう状態を指すのでしょうか。僕の場合、TOEICは900点台まで取れていました。でも、それは「読む」「聞く」だけのスキル。会話は別物でした。
外資系企業に入社してすぐのころ、会議で話を振られたときに言葉が出てこず、頭が真っ白になった経験があります。日常的な英会話が自然に出てくるわけではなく、単語レベルでしか発言できなかったんです。
つまり、「英語ができる=英会話がスラスラできる」と思われがちですが、実際はその人のどこに不安を感じているかで意味が違ってくる。僕にとっては、“英語で意見を言う”というフェーズが一番のハードルでした。
3. 会議での乗り切り方
外資系の会議では、英語が使われることも多くあります。特にグローバルとのやりとりがあるチームでは英語の頻度が高めです。でも、英語が流暢でないからといって、会議に参加できないわけではありません。
まず大前提として、「完璧な英語を話す必要はない」ということ。伝わればOKです。最初から文法的に正しく、美しい英語を話そうとすると、それだけでハードルが上がってしまいます。
僕がよく使っていたフレーズは、
- “Let me confirm that...”(確認させてください)
- “Can I clarify one thing?”(ひとつ確認してもいいですか?)
このように「確認」「質問」「同意」などの基本的な型を持っておくだけで、必要な場面で自然と口をついて出てくるようになります。会議では発言よりも、まず“聞いて理解する”ことが重要なので、必要な場面だけ発言すればOKです。
そして、聞き取れないときには素直に「Sorry, could you repeat that?」と聞き返す勇気が大事です。英語に不安があるからこそ、正直に聞き返せる姿勢は、むしろ好印象になることが多いと感じました。
4. チャット(Slack・Teams)の乗り切り方
チャットは会話よりもハードルが低いように思われがちですが、意外と難しさがあります。特に、ネイティブの表現がカジュアルだったり略語が多かったりするので、慣れるまで時間がかかりました。
僕が意識していたのは、「わからない単語や表現をその場で調べる」ということです。Googleで“英語 ビジネス 丁寧な断り方”と検索するだけでも、実用的な表現がいくつも出てきます。
また、「よく使う表現集」を自分の中で育てていくのも大切です。たとえば:
- “Thanks for the update.”(共有ありがとう)
- “Let me get back to you.”(後ほど回答します)
- “I'll check with the team.”(チームに確認します)
こういった表現をテンプレート化しておくことで、毎回ゼロから英作文をしなくて済むようになります。スピードよりも正確さや丁寧さを重視したほうが、信頼にもつながると思います。
なお、企業によってはAI翻訳の利用が禁止されているケースもありますし、情報漏洩リスクもあります。僕もDeepLなどのツールは使わず、単語レベルで調べることに徹しています。
5. 英語ができなくても評価される理由
英語が完璧でないからといって、評価されないわけではありません。むしろ僕は「日本語で話しても同じように伝えられたか?」を常に意識しながら発言しています。
評価される人に共通しているのは、「相手に伝える努力」をしていること。そして、「報連相を怠らない」ことです。これは日本語でも同じですよね。つまり、“英語力”よりも“仕事力”が見られている。
実際、僕の上司も「英語が苦手でも、誠実に向き合ってくれる人は信頼できる」とよく言っていました。たどたどしくても、自分の言葉で伝えようとする姿勢は、相手の心に届くものです。
6. 英語を避けるのではなく、“付き合い方”を学ぶ
僕が外資で働いてきて一番感じたのは、「英語を使いこなす」のではなく「英語とうまく付き合う」ことが重要だということです。
完璧を目指して黙ってしまうよりも、多少不自然でも「伝えようとする」ことのほうが、チームにとってもありがたいし、自分にとっても成長につながります。
また、「日本語で仕事ができる=英語でも通用する素地がある」と思っていい。英語力は手段であって目的ではありません。目的は、仕事をスムーズに進め、チームに貢献すること。そのための最低限の英語力+誠実な姿勢があれば、十分に評価されます。
7. まとめ|「英語できないから無理」ではなかった
今振り返ると、「英語ができないから外資は無理」と思っていたのは、ただの思い込みでした。
僕ができたのは、
- 単語レベルで地道に調べる
- 自分なりのフレーズをストックしておく
- 正直に「わからない」と伝える勇気を持つ
この3つだけでも、業務は十分に回せています。もちろん、英語力は高いに越したことはないですが、それ以上に大切なのは「伝える覚悟」と「学ぶ姿勢」だと思います。
もし、あなたが今「英語ができないから外資は無理」と感じているなら、一度その思い込みを手放してみてください。自分に合った“戦い方”は、必ずあります。